不服2015 - 6981「ゴールデン」

本願商標「ゴールデン」(カタカナ文字で黒く太く書されていて、「ゴ」と「デ」の濁点および「ン」の点の部分を星で記し、文字は全て金色で縁取りがされている。)は、指定商品を第33類「日本酒、洋酒、果実酒、酎ハイ、中国酒、薬味酒」として出願されましたが、本願商標は、「単に金色の商品又は『すばらしい』商品という、商品の色彩又は品質を表示するものとして理解されるにすぎないもの」であるとして、商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶査定を受けました。本願出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、『ゴールデン』の片仮名を相当程度図案化してなるものであると認められるところ、『ゴールデン』の文字が『【黄金製の】【金色の】、また、【すばらしい】【最高の】の意。』(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を有するとしても、これが直ちに商品の色彩又は品質を具体的かつ直接的に表したものと理解、認識させるとはいい難いものである。また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品である「日本酒、洋酒、果実酒、酎ハイ、中国酒、薬味酒」を取り扱う業界において、『ゴールデン』の文字が、商品の具体的な品質等を表示するものとして普通に用いられていると認めるに足る事実は発見できなかった。そうすると、これをその指定商品について使用しても、これが商品の特定の内容を表示するものとして直ちに理解、認識されるものといい得ないというのが相当であるから、商品の品質を表示したものとはいえないものである。」として、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しないと判断しました。

不服2015 - 13884「ミライスピーカー」

本願商標は、「ミライスピーカー」の片仮名を横書きしてなる商標であり、第9類「電子通信機械器具」を指定商品として出願され、その後、指定商品を第9類「スピーカー」と補正しました。本願商標「ミライスピーカー」は登録第4271171号商標、同第4281790号商標など「ミライ」の称呼を有する商標を引用商標とされ、商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶されました。本願出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、別掲のとおり、『ミライスピーカー』の片仮名を横書きしてなるところ、構成後半の『スピーカー』の文字が指定商品『スピーカー』に通じ、前半の『ミライ』の文字が『未来』を想起させるものではあるが、該文字の全体構成は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体に相応して生ずる『ミライスピーカー』の称呼も格別冗長というものでもなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の『スピーカー』の文字が、本願商標の指定商品を表すものであるとしても、その構成全体をもって、『未来のスピーカー』程の意味合いを理解させるものであるから、かかる構成においては、これに接する取引者、需要者が、『スピーカー』の文字部分を捨象し、『ミライ』の文字部分のみに着目して取引にあたるというよりは、むしろ、『ミライスピーカー』の構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するものというのが自然である。したがって、本願商標から、その構成中の『ミライ』の文字部分に相応した『ミライ』の称呼をも生じるとし、その上で、本願商標と引用商標とが類似するものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとした原査定は、取消しを免れない。」として、本願商標は登録すべきであるとしました。

不服2015 - 14161「ビル史書(標準文字)」

本願商標「ビル史書(標準文字)」は、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として出願され、その後、第41類「ビルオーナーの想い出や苦労話をまとめた書籍又はDVDの製作」に指定役務が補正されましたが、本願商標は「ビルの歴史を叙述した書籍又はDVDの製作」の意味合いを認識させるにとどまるものであるとして、商標法第3条第1項第3号で拒絶査定となりました。本願商標出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、『ビル史書』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、後半の『史書』の文字が、『歴史を叙述した書物』等の意味を(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)有する語であるから、その構成文字全体からは、原審説示の如く、『ビルの歴史を叙述した書物』程の意味合いを想起させることがあるとしても、それにとどまるものであって、その指定役務の質(内容)を直接的かつ具体的に表示するものということはできないものである。そして、当審において職権により調査するも、該構成文字が本願の指定役務を取り扱う業界において、役務の質を表すものとして、普通に使用されている事実を発見することができず、取引者、需要者が、『ビル史書』の文字を、役務の質を表すものと認識するというべき事情も見当たらない。そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。」として、本願商標は商標法3条1項3号に該当しないので登録すべきであるとの判断をしました。

不服2015 - 12882「ビターチョコで健康習慣(標準文字)」

本願商標「ビターチョコで健康習慣(標準文字)」は、第30類「ビターチョコレートを加味してなる茶,ビターチョコレートを加味してなるコーヒー」(いずれも補正後の指定商品)等を指定商品として商標登録出願されましたが、「健康習慣」を引用商標として、商標法第4条第1項第11号で拒絶査定となりました。本願出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「外観においては、本願商標は、『ビターチョコで健康習慣』の文字を標準文字で表してなるのに対し、引用商標は、『健康習慣』の文字を書してなるものであるから、両商標は、『ビターチョコで』の文字の有無により、外観上、明確に区別できるものである。つぎに、称呼においては、本願商標から生じる『ビターチョコデケンコーシューカン』の称呼と、引用商標から生じる『ケンコーシューカン』の称呼とを比較すると、両称呼は、語頭における『ビターチョコデ』の音の有無において明らかな差異を有するものであるから、本願商標と引用商標は、称呼上、明確に区別できるものである。さらに、観念においては、本願商標は、『ビターチョコレートで健康のための習慣』の観念を生じるのに対し、引用商標は、『健康のための習慣』の観念を生じるから、その観念は明らかに相違するものであり、本願商標と引用商標は、観念上、明確に区別できるものである。したがって、本願商標と引用商標とは、外観、称呼、観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのないものであるから、非類似の商標というべきである。」として、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は妥当とはいえず、本願商標は、登録すべきとの判断を示しました。

不服2015 - 12446「温泉ドライフルーツ(標準文字)」

本願商標「温泉ドライフルーツ(標準文字)」は、第29類「ドライフルーツ」を指定商品として、平成26年6月16日に登録出願されましたが、「本願商標を指定商品に使用するときは、『温泉を利用して製造されたドライフルーツ』であることを需要者に一般に認識させるものというのが相当である。」として、商標法第3条第1項第3号を理由に拒絶査定を受けました。本願出願人はこれを不服として、本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は、以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、『温泉ドライフルーツ』の文字を標準文字で表してなるところ、『地熱のために平均気温以上に熱せられて湧き出る泉』(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有する『温泉』の文字と、指定商品の普通名称である『ドライフルーツ』の文字を結合したものであるとしても、『温泉ドライフルーツ』の文字からは、原審説示の如き意味合いを直ちに認識させるとはいい難いものである。そして、当審において職権をもって調査したが、温泉を利用して果物や野菜などの食材を乾燥させた商品について、『温泉ドライフルーツ』及び『温泉○○』(『○○』は商品の普通名称)の文字が、当該商品の品質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実は発見することができなかった。さらに、本願の指定商品を取り扱う業界において、本願の指定商品の取引者、需要者が『温泉ドライフルーツ』の文字を商品の品質を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。」として、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しないから登録すべきであるとの審決を行いました。

不服2015 - 11519「健康一番黒にんにく」

本願商標「健康一番黒にんにく」は、第29類「加工にんにく、加工にんにくを使用した加工野菜及び加工果実(調理用野菜ジュースを除く。)、冷凍した加工にんにく、加工にんにくを使用した食用油脂」及び第30類「加工にんにくを使用した調味料、加工にんにくを使用した穀物の加工品」(いずれも補正後の指定商品である。)を指定商品として商標登録出願されましたが、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶査定となりました。本願商標出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。
審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、『健康一番黒にんにく』の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中の『健康一番』の文字は、『健康が最も大切』ほどの意味合いを理解させるといえるもので、『黒にんにく』の文字は、『熟成して黒く変色したにんにく』を指称する語として使用されているといえるものである。そして、本願商標は、それを構成する各文字の意味は上記のとおりであるところ、それらを結合してなる本願商標から、特定の意味合いが生じるとはいえない。また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品の分野において、『健康一番黒にんにく』の文字が、自他商品の識別標識としての機能を有しないといえるほどに、商品の品質等を表すものとして取引上、普通に用いられていると認めるに足る事実は見いだせなかった。そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできない。」として、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、本願商標は登録すべきであるとの判断を示しました。

不服2015 - 4661「マステ(標準文字)」

本願商標「マステ(標準文字)」は、第16類「マスキングテープ(文房具)」(補正後)を指定商品として出願されましたが、「『マスキングテープ』の略称として広く用いられている実情が認められるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する需要者・取引者は、『マスキングテープ』であると認識するにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。」として、商標法第3条第1項第3号で拒絶査定となりました。原告は、これを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、...『マステ』の片仮名を標準文字で表してなるところ、本願商標が、原審説示のごとく『マスキングテープ』の略称として取り扱われている事実がわずかに散見されたとしても、これが直ちに、原審説示のような商品の品質を理解させるものとはいい難く、該文字が本願の指定商品との関係において、直ちに、商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものということはできない。また、職権により調査するも、本願指定商品を取り扱う業界において、『マステ』の文字が、指定商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものとして、取引上、使用されているという事実を見いだすことはできなかった。してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、十分に自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるというのが相当である。」として本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しないとして、原査定を取消しました。

不服2015 - 15351「きのこ山(標準文字)」

本願商標「きのこ山(標準文字)」は、第29類「芋煮,里芋を使用した汁物,豚汁,里芋の煮物」及び第43類「芋煮を主とする飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として商標登録出願されましたが、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶査定を受けました。本願出願人はこれを不服として、本件拒絶査定不服審判を請求しました。審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、...『きのこ山』の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は『きのこの生える山。また、きのこを採るために入る山』(株式会社小学館「国語大事典」)の意味を有するものであるから、原審説示のように『芋煮』を直ちに理解、認識させるとはいい難いものである。そして、当審において職権をもって調査したが、加工食品を取り扱う業界及び飲食物を提供する業界において、『きのこ山』の文字が、『芋煮』を理解させる語として広く一般に知られ、親しまれている事実を見いだすことはできなかった。さらに、「きのこ山」の文字が、本願の指定商品及び指定役務との関係において、その商品の品質又は役務の質を表示するものとして、取引上一般に使用されている事実を発見することができなかった。そうすると、本願商標は、本願の指定商品及び指定役務に使用しても、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというべきものであり、かつ、商品の品質及び役務の質について誤認を生じるおそれもないというべきである。」として、商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当しないので、商標登録すべきであるとしました。

不服2015 - 1615「タダノート(標準文字)」

本願商標「タダノート(標準文字)」は、出願後に指定商品を第16類「ノートブック、印刷物」とする補正をしましたが、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして拒絶査定となりました。本願出願人は、これを不服として拒絶査定不服審判を請求しました。これに対する特許庁の判断は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、...『タダノート』の片仮名を標準文字で表してなるところ、各構成文字は、同じ大きさ及び同じ書体をもって等間隔にまとまりよく一体的に表されているものである。そして、本願商標の構成中の『タダ』の文字が『無料』の意味を有する語であり、『ノート』の文字が、『ノートブック』の略称であるとしても、これらを結合してなる『タダノート』の文字が、原審説示のごとき意味合いをもって、商品の特定の品質を直接的かつ具体的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難い。また、当審において職権をもって調査するも、『タダノート』の文字が、本願指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を直接的に表示するものとして、取引上、普通に用いられていると認めるに足る事実は見いだせなかった。してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、本願商標を商品の品質を表示したものと認識するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものというべきである。」として、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当しないので登録すべきであるとの審決を行いました。

不服2015 - 6858「おうちつけ麺(標準文字)」

本願商標「おうちつけ麺(標準文字)」は、第30類「つけ麺用の即席中華麺、調理済みの即席つけ麺、つけ麺用の中華麺、調理済みのつけ麺、つけ麺用のつゆ・たれ、つけ麺用の食用粉類」を指定商品として商標登録出願されましたが、「本願商標をその指定商品について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、『家で作るつけ麺料理に適したもの』『家で作るつけ麺料理』ほどの意味合いを認識するにとどまる。」として商標法第3条第1項第3号で拒絶査定となりました。本願出願人はこれを不服として、拒絶査定不服審判を請求しました。特許庁は以下のような判断を示しました。

当審の判断「本願商標は、...『おうちつけ麺』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『おうち』の文字は、『【家】【家庭】の丁寧語。』の意味を有する『御家』(株式会社三省堂『大辞林第三版』)に通じるものであり、『つけ麺』の文字は、『つけ汁につけて食べる麺。』(株式会社岩波書店『広辞苑第六版』)の意味を有する語である。そして、...昨今、食品メーカー等が、消費者の中食、内食志向の高まりに応じるため、家で手軽に作って食べられることを訴求する商品を展開しているところ、別掲2の書籍、新聞記事及びインターネット情報によれば、料理の材料や調理法などに関する書籍や記事において、家で作って食べる料理を、例えば『おうちカレー』、『おうち焼肉』、『おうちラーメン』、『おうちピザ』、『おうちつけ麺』のように、『おうち○○(○○は料理名)』の語で表現することが普通に行われており、...食品メーカー等においても、『おうち鍋』、『おうちハンバーグ』、...『おうち麻婆豆腐』等の語を、家で作って食べる各種の料理を表すものとして使用していることがうかがえる。そうすると、『おうち』の文字に料理名『○○』を続けた構成からなる語に接する取引者、需要者は、該文字から、『家で作って食べる○○』の意味合いを容易に理解、認識するといえる。してみれば、『おうち』の文字に料理名の『つけ麺』の文字を続けた構成からなる本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標から、『家で作って食べるつけ麺(つけ汁につけて食べる麺)』ほどの意味合いを看取するというのが相当であり、本願商標をその指定商品に使用しても、その商品が『家で作って食べるつけ麺』又は『家で作って食べるつけ麺用の商品』であると認識し、商品の品質、用途を表示したものと理解するにとどまるといえるものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといえる。」として、商標法第3条第1項第3号に該当するので登録できないとしました。

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