2色カプセル事件 知財高裁平成18年9月28日判決

本件訴訟の控訴人、被控訴人は、いずれも医薬品・医薬部外品等の製造・販売等を業とする株式会社です。控訴人は、蓋をする部分が概ね緑色で、蓋をされる部分が概ね白色のカプセルに薬剤を入れて、このカプセルをPTPシートに収納して販売しています。被控訴人は控訴人のカプセルと色彩構成が類似しているカプセルをPTPシートに収納して販売しています。控訴人は、被控訴人の行為は不正競争防止法2条1項1号に該当するとして差止請求及び損害賠償請求等をしました。
 知財高裁は、「色彩自体は本来的には商品の出所を表示する目的を有するものではなく、一定の場合に特定の出所を表示する二次的意味を有するに至る場合があるにすぎないものであり、しかも、色彩は本来何人も自由に使用することのできるものであるから、原告カプセル及び原告PTPシートの色彩構成について、商品を他から識別して特定の出所を表示する機能を備えているものとして、その独占を認めるためには、少なくともそれがありふれたものではない顕著な特徴を有していることが必要であると解すべきであり、このことは医療用医薬品についても何ら異なるところはないというべきである。...原告色彩構成は、ありふれたもので、特異性はなく、他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有しているということはできないから、出所表示機能を有するものではなく、不正競争防止法2条1項1号にいう『商品等表示』であるということはできない。」として本件控訴を棄却しました。

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