アメックス事件 最高裁平成5年12月16日判決

原告であるアメリカの法人は、クレジットカードサービス事業などを世界的に行っているアメリカン・エキスプレスグループの一員です。昭和51年頃から原告の略称表示として「アメックス」の表示が新聞記事等で使われ始めました。原告は、被告が商号「アメックス・インターナショナル」を使用する行為や、「アメックス・インターナショナル」、「アメックス」の表示を使用するのは不正競争行為に該当するとして、使用の差止等を請求ました。
最高裁は、「不正競争防止法1条1項2号にいう広く認識された他人の営業であることを示す表示には、営業主体がこれを使用ないし宣伝した結果、当該営業主体の営業であることを示す表示として広く認識されるに至った表示だけでなく、第三者により特定の営業主体の営業であることを示す表示として用いられ、右表示として広く認識されるに至ったものも含まれるものと解するのが相当である。これを本件についてみるに、原審の確定したところによれば、上告人が第一審判決主文第一項記載の各表示(以下『上告人表示』という )及び上告人の商号の使用を開始したのは昭 。和五五年一月九日以降であるが、同五四年末までには 『A』の語が、新聞記事等において被 、上告人の略称として使用されたことにより、被上告人の営業を示す表示として我が国において広く認識されていたものである、というのであって、右認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯することができる。右表示と上告人表示及び上告人の商号とが類似することは明らかであるから、上告人が上告人表示及び上告人の商号を使用する行為が不正競争防止法1条1項2号所定の他人の営業活動と混同を生じさせる行為に該当するとした原審の判断は、これを是認することができる。」として本件上告を棄却しました。

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