不服2015 - 11740「鍵110番(標準文字)」

本願商標「鍵110番(標準文字)」は、第37類「自転車の修理、自動車の修理又は整備、荷役機械器具の修理又は保守、火災報知機の修理又は保守、機械式駐車装置の修理又は保守、自転車駐輪器具の修理又は保守、金庫の修理又は保守、錠前の取付け又は修理」を指定役務として平成26年7月31日に出願されましたが、「本願商標は、全体として、『鍵に関する緊急連絡に対応します。』程の意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。」として、商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶査定を受けました。
本願出願人はこれを不服として、本件拒絶査定不服審判を請求しました。
審決の内容は以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、『鍵110番』の文字からなるところ、その構成中の『鍵』の文字は、『錠の孔にさし入れて、これを開閉する道具。更に広く、錠。』等の意味を有し、『110番』の文字は、『警察に事件などを通報する時の電話番号。警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。』等の意味を有する語である(いずれも『広辞苑第5版』岩波書店)。そして、『鍵110番』の文字については、原審で示した事実の他に、以下のとおり、『鍵の』や『カギ』、『鍵』等の文字と『110番』の文字とを組み合わせて、『○○110番』のように、使用されている実情がある。なお、『鍵110番』、『カギ110番』及び『鍵の110番』は、『鍵』が漢字で表されているか片仮名で表されているかの違いや、格助詞『の』の有無にすぎず、いずれも同義とみるのが相当である。<インターネット情報>ア『鍵のトラブル救助隊』のウェブサイトにおいて、『【鍵110番トラブル救助隊】は、鍵のトラブルにすぐに駆けつけます』の見出しのもと、『鍵の開錠や紛失等で困ってしまった・・・そんな時は鍵の110番【鍵110番トラブル救助隊】にお電話ください。お電話は通話料無料のフリーダイヤルとなっております。また、24時間対応可能となっておりますので、万が一のときはお電話1本で皆様のもとへ駆けつけます。』の記載がある。(http://key-kumamoto.com/company)...以上によれば、例えば、上記のウェブページにおいて、『鍵の開錠や紛失等で困ってしまった...そんな時は鍵の110番【鍵110番トラブル救助隊】にお電話ください。』、『鍵の110番は鍵の紛失やドアが開かないなどのトラブルに駆けつけてくれるサービスです。』及び『【鍵を紛失した】【鍵が折れた・曲がった】【家・車のドアが開かない】といった鍵に関する緊急のトラブルなら、宮崎にあるカギの110番こと【クイックサービス】に今すぐお電話下さい。』の記載等があり、『鍵110番』等の文字は、鍵の取付け又は修理等を行う役務の提供において、鍵のトラブルに緊急対応することが可能であることを表す語として一般に使用されているものである。そうすると、本願商標をその指定役務中の、鍵の修理等が含まれる『自転車の修理、自動車の修理又は整備、機械式駐車装置の修理又は保守、自転車駐輪器具の修理又は保守、金庫の修理又は保守、錠前の取付け又は修理』について使用しても、『鍵に関する緊急連絡に対応します。』ほどの意味合いを想起させるものというのが相当である。してみれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、鍵のトラブルについての緊急対応に関するキャッチフレーズを表したにすぎないものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を発揮する商標を表したものとは認識し得ないものであるから、何人かの業務に係る役務であることを認識できない商標というべきである。」として、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するので、本件審判の請求は成り立たないとの審決をしました。

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