PHOTO―DIRECT事件 東京高裁 昭和46年9月9日判決

本件は登録要件の判断時についての判決です。

原告は、「PHOTO―DIRECT」の欧文字をゴシツク書体で横書きしてなる商標について、第9類「写真製版機械器具」等を指定商品として、商標出願しましたが、「『フオト・ダイレクト・プロセス』の語は写真を製版する場合の一方法を示すものとして熟知された用語」であるとして、商標法3条1項3号及び4条1項16号で拒絶審決を受けました。 原告は、これを不服として審決取消訴訟を提起しました。

本件訴訟の中で、原告は、商標法第3条第1項第3号の適用判断の基準時は、商標登録出願時でなければならないとの主張をしました。

それに対して、東京高裁は「同条項の適用判断の基準時は、査定または審決の時と解するのが相当である。けだし、商標法第3条第1項は、商標の登録に関する積極的な要件ないしは商標の一般的登録要件に関する規定、換言すれば、登録を出願している商標がそれ自体取引上自他の商品を識別する機能を有すべきことを登録の要件とする趣旨の規定であつて、同項各号にかかる識別的機能を有しないものを列挙し、このようなものについては登録を拒絶すべきことを法定したものというべく、したがつて、このような要件の存否の判断は、行政処分(商標登録の許否が一の行政処分であることはいうまでもない。)の本来的性格にかんがみ、一般の行政処分の場合におけると同じく、特別の規定の存しない限り、行政処分時、すなわち査定時または審決時を基準としてすべきものと解するのが相当であるからである」との判断を示しました。

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