招福巻事件 大阪高裁平成22年1月22日判決

被控訴人(原告)は、登録商標「招福巻」(以下、「本件商標」とする)を有しています。控訴人(被告)であるイオン株式会社は、全国でスーパーマーケット「ジャスコ」を展開し、ジャスコ各店舗で節分用に販売した巻き寿司の包装に「十二単の招福巻」なる標章(控訴人標章)を付す等していました。被控訴人(原告)は、控訴人(被告)の行為は、商標権侵害に該当するとして商標法36条に基づき差止請求等をしました。
大阪高裁は、「『招福巻』は、巻き寿司の一態様を示す商品名として、遅くとも平成17年には普通名称となっていたというべきである。もっとも、『招福巻』が、本件商標の指定商品に含まれる巻き寿司について登録商標であることが一般に周知されてきていれば格別であるが、被控訴人が警告をし始めたのはようやく平成19年になってからであり、本件全証拠によってもその時点までに本件商標が登録商標として周知されていたと認めるに足りず、かえって上記警告の時点までに『招福巻』の語は既に普通名称化していたものというべきである。さらに、控訴人標章中『招福巻』の部分の使用は、前記認定に係るその書体、表示方法、表示場所等に照らし、商品名を普通に用いられる方法で表示するものと認めることができる。」として控訴人標章中「招福巻」の部分は、法26条1項2号の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標に該当するので商標権侵害には該当しないと判断しました。

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