For brother事件 東京地裁平成16年2月23日判決

原告は、インクリボン等について「brother」及び「ブラザー」の登録商標を持っています。被告1はインクリボンを製造し、被告2に販売しています。

被告製品の外箱には、「For brother」又は「ブラザー用」といった表示がなされています。

原告は、被告の行為は商標権の侵害にあたるとして、差止請求及び損害賠償請求を行いました。

東京地裁は、「当裁判所は、被告標章は、商品を特定する機能ないし出所を表示する機能を果たす態様で用いられていないので、商標として使用されていないと判断する。...被告製品の一般需要者は、被告標章を含む『For brother』、『ブラザー用』、『新ブラザー用』の表示について、被告製品が、原告製造のファクシミリに使用できるインクリボンであることを示すための表記であると理解するものと認められる。...被告旧製品においては、被告標章と同じ又は小さく、英語表記であるものの、被告オームの名称が記載され、住所等が記載されているが、その記載態様からすれば、これらの記載は、被告オームの連絡先を表示したものと認識できる。また、被告新製品においては、上記の記載に加え、被告標章とほぼ同じ大きさで又はそれより大きく被告オームの名称が英語表記で記載されている。被告オームに関する以上の表示は、被告製品の製造者又は販売者を示すものと認識し得る表示といえる。...被告製品は、原告の製造に係るファクシミリの特定の機種にのみ使用できるインクリボンであって、被告が、インクリボンを販売するに当たっては、消費者が、他社製のファクシミリに使用する目的で当該インクリボンを誤って購入することがないよう注意を喚起することが不可欠であり、そのような目的に照らすならば、被告標章の表示は、ごく通常の表記態様であると解される。」として被告らによる被告標章の使用は、本件商標権の侵害には当たらないと判断しました。 

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