塾なのに家庭教師事件 東京地裁平成22年11月25日判決

原告は、指定役務「学習塾における教授」について、第4684359号「塾なのに家庭教師」の商標権を持っています。

被告は、学習塾を経営しており、「塾なのに家庭教師」の標章を付した新聞の折り込み広告の配布や、被告ウェブサイトにて「塾なのに家庭教師、それがTKG」の標章を使用していました。
原告は、被告の行為は商標権侵害にあたるとして、本件訴訟を提起しました。

東京地裁は、「被告チラシ1に接した学習塾の需要者である生徒及びその保護者においては、被告標章1の『塾なのに家庭教師』の語は、チラシ中央部の集団塾の長所及び短所と家庭教師の長所及び短所を対比した説明文や、チラシ右側の『東京個別指導学院の特徴』の説明文などの他の記載部分と相俟って、学習塾であるにもかかわらず、自分で選んだ講師から家庭教師のような個別指導が受けられるなど、集団塾の長所と家庭教師の長所を組み合わせた学習指導の役務を提供していることを端的に記述した宣伝文句であると認識し、他方で、その役務の出所については、チラシ下部に付された『東京個別指導学院名古屋校』、『東京個別個別指導学院』又は『関西個別指導学院』の標章及び『TKG』の標章から想起し、『塾なのに家庭教師』の語から想起するものではないものと認められる。そうすると、被告標章1が被告チラシ1において役務の出所表示機能・出所識別機能を果たす態様で用いられているものと認めることはできないから、被告チラシ1における被告標章1の使用は、本来の商標としての使用(商標的使用)に当たらないというべきである。」として、被告による被告各標章の使用は、商標的使用に当たらないから、商標権の侵害行為又は侵害行為とみなす行為のいずれにも該当しないと判断しました。

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