正露丸事件 東京高裁昭和46年9月3日判決

本件は、「正露丸」が普通名称に該当するか否かについて争われた事件です。

東京高裁は、「本件商標を構成する『正露丸』の語は、『征露丸』の語から転化したものといつてさしつかえなく、『征露丸』『正露丸』『せいろ丸』『セイロ丸』『セイロガン』は、すべて同一の事物を指称する語として一般に認識されており、これらは、『征露丸』の命名および本件医薬品の創製の前記特殊事情にもとづき、もともと商品の出所表示力に乏しい語として誕生し、しかも、その後多年にわたり、不特定かつきわめて多数の業者により全国的に本件医薬品の名称として使用された結果、これらの語は、おそくとも本件商標の登録当時、 なんら出所表示力のない、本件医薬品自体の一般的な名称として国民の間に広く認識されていたものというべきであり、したがつて、ごく普通の書体で『正露丸』の文字に『セイロガン』の文字を振り仮名のように付記したにすぎない本件商標は、その指定商品中の本件医薬品に関しては、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示したにすぎない標章であり、それ以外の商品に関しては、その商品が本件医薬品であるかのように誤認を生ずを虞れのある標章であるといわなければならない。」として普通名称に該当すると判断しました。

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