湘南二宮オリーブ事件 知財高裁平成27年1月28日判決

訴外Uは、平成24年5月30日「湘南二宮オリーブ」の文字を標準文字で表してなる商標(以下「本願商標」とします。)の登録出願(商願2012-43423号)をしました。その後、商標登録出願により生じた権利は原告に承継され、本願商標の指定商品は、最終的には、第29類「湘南地方二宮町産のオリーブを原材料とするオリーブオイル」に補正されました。本願商標は、商標法3条1項3号に該当するとして拒絶査定を受けたため、原告は拒絶査定不服審判を請求しました。特許庁は、不服2013-15303号事件として審理した結果、平成26年5月13日「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、同月23日にその謄本を原告に送達しました。
原告はこれを不服として本件審決取消訴訟を提起しました。

知財高裁は、「本願商標は、『湘南二宮オリーブ』の文字を標準文字で表してなり、その指定商品は『湘南地方二宮町産のオリーブを原材料とするオリーブオイル』である。...、本願商標のうち『湘南二宮』の部分は、『湘南地方の二宮町』を表したものと理解される。また、本願商標のうち『オリーブ』の部分は、指定商品を含むオリーブオイルとの関係では、果実の『オリーブ』であることを意味し、オリーブオイルの原材料を表したもの、と広く理解される語である。...オリーブオイルを含む食用油の分野では、他の多くの食品分野と同様に、その原材料がどのようなものであるかについての需要者の関心が高く、食用油の原材料や原材料の産地を、商品名の一部としたり、商品説明に記載しているという取引の実情が認められることからすれば、本願商標である『湘南二宮オリーブ』を指定商品に使用しても、取引者及び需要者は、本願商標の表示は『湘南二宮産のオリーブ』を意味し、当該指定商品が『湘南地方の二宮町産のオリーブを原材料とするオリーブオイル』であることを表したにすぎないものと理解するのが自然である。」との判断を示しました。

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