通常使用権(第31条)について

 商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができ、(商標法第31条第1項)、通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有します(商標法第31条第2項)。 
 通常使用権については、同一範囲について二以上の者に設定することができますし、通常使用権を許諾した後においても、商標権者自身も商標を使用することができます。
 また、専用使用権と同様に設定範囲について、時間的、内容的、地域的制限をすることができます。
 通常使用権の移転についても制限があり、商標権者(専用使用権についての通常使用権にあっては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限られます。移転について制限が設けられているのは、誰が商標を使用するかにより、商標権者の利益が大きく変わってくることなどが理由です。
 また商標の通常使用権については、登録対抗制度が維持されておりますので、通常使用権の登録をしておけば、通常使用権の登録後に商標権や専用使用権の移転や、新たな専用使用権の設定登録がなされても通常使用権者としての地位は守られます。
 通常使用権者は、商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合は、その通常使用権について質権を設定することができます。
 通常使用権の放棄については、質権者がいる場合は、その承諾を受けた場合に限り、その通常使用権を放棄することができます。質権者に放棄によって不利益が生じないようにするためです。

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