不正使用取消審判(51条)

不正使用取消審判とは、いわゆる禁止権の範囲で商標権者が故意に商標の使用をして出所混同を生じさせた場合に商標を取消す審判です。故意にとあるので過失で禁止権の範囲で商標を使用してもこの審判の対象にはなりません。

また、無効審判は指定商品・指定役務毎に請求しますが、この審判は請求が認容されれば全ての指定商品が取消になります。全ての指定商品が取消されることになっているのは、商標権者の不当使用に対する制裁規定としての性格を有する審判だからです。

なお、本審判が認容された場合は、商標権はその後に消滅することになりますので、差止請求権に対しては有効な対抗手段ですが、消滅前の侵害行為に対しては損害賠償請求を行使される可能性があります。

また本審判には除斥期間があり、商標の不正使用の事実がなくなった日から5年を経過した後は請求することができませんので、審判請求の際には留意する必要があります。

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