5年間ノーワックス事件 知財高裁平成17年8月10日判決

控訴人(被告)と被控訴人(原告)はともに、自動車のコーティング剤の製造、販売等を行っています。控訴人は、控訴人の製品の広告や取引書類等に「施工後5年間、新車時の塗装の輝きが維持される」との表示をしているのは、被告商品の品質及び内容を誤認させるものであり、控訴人が本件各表示を広告等に使用する行為は不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に該当すると主張して、控訴人に対し、本件各表示の記載の差止め、ウェブページからの削除、本件各表示を記載したカタログの廃棄、被告商品の譲渡等の差止め、謝罪広告の掲載及び損害賠償の支払を求めました。控訴人は原判決を不服として控訴しました。
知財高裁は、「実際に被告商品を施工した5年経過後の複数の車両の平均光沢度が、93.7%、96.1%という高い数値を維持していることを示す測定結果もあることなどに照らすと、被控訴人が援用する前記の各耐候性試験の結果に依拠して、被告商品には新車時の塗装面の光沢度を5年間持続する効果がないとまで的確に認定することはできないといわざるを得ない。そして、本件各表示における『新車の輝き』が持続しているかどうかということ自体が、多分に見る者の主観によるところが大きく、ある程度の幅を持つものであることをも考え併せると、本件全証拠をもってしても、未だ本件各表示における『新車時の塗装の輝きが5年間維持される』との表示が虚偽であり、その表示が需要者等に被告商品の品質及び内容を誤認させるものであると認めることはできない。」との判断を示しました。

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