不服2015 - 17148「箱館ポーク(標準文字)」

「箱館ポーク(標準文字)」は、第29類「豚肉、豚肉製品」を指定商品として商標登録出願されましたが、「本願商標は、『箱館ポーク』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『箱館』の文字は、北海道函館市の旧表示であり、『ポーク』の文字は、『豚肉』の意味を有する。そして、『箱館』を含んだ文字が、函館市内の祭りの名称や電車名、観光名所に使用されていることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が『函館産の商品』であることを認識、理解するというのが相当である。したがって、本願商標は、単に商品の産地、販売地、品質を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として拒絶査定となりました。本願出願人はこれを不服として本件拒絶査定不服審判を請求しました。当審の判断の判断は、以下の通りです。

当審の判断「本願商標は、...『箱館ポーク』の文字を標準文字で表してなるものである。そして、その構成中『箱館』の文字は、『広辞苑第六版』の『はこだて【函館】』の項に、『(古くは【箱館】と書いた)北海道渡島半島の南東部に位置する市。」と記載されていることから、『函館』の古い書き方であることが認められるものの、『コンサイス日本地名事典<第5版>』の『はこだて 函館』の項には、『北海道南西部、函館市の中心。・・・1454(享徳3)河野政通が函館山麓に箱状の館を築いたことにちなみ箱館と称したが、1869(明2)函館と改称。」と記載されていることからすれば、『箱館』は、1869年(明治2年)に『函館』に改称されて既に約145年が経過しているものである。また、『箱館』の文字が、函館市内の祭りの名称や市電の車両名、観光施設の名称等に使用されているとしても、これらにおいて、該文字が、『函館産』であることを表示するものと理解されるとはいい難い。さらに、本願商標の指定商品を取扱う業界において、『箱館』の文字が、商品の産地や販売地を表示するものとして一般に使用されている事実や認識されていると認めるに足る事実は発見できない。してみると、『箱館』の文字と『豚肉』の意味を有する『ポーク』の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の産地、販売地、品質を表示するものとはいえず、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものである。」として本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないので登録すべきとの判断をしました。

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