浅間山事件 知財高裁平成26年6月30日判決

原告は、平成24年4月24日に「浅間山」の文字を標準文字により表してなり、第32類「ビール、清涼飲料、果実飲料、飲料用野菜ジュース、ビール製造用ホップエキス、乳清飲料」を指定商品(以下、「本願指定商品」)として出願しましたが、平成25年2月5日付けで、「本願商標を本願指定商品に使用するときは、『長野・群馬両県にまたがる活火山である浅間山の地域』で生産、販売されているものであることを認識させるとみるのが相当であり、本願商標は、単に商品の産地・販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法3条1項3号に該当する」として拒絶査定を受けたので、同年5月8日に審判請求(不服2013-8335号)をしました。 特許庁は、平成25年10月23日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、同審決謄本は同年11月12日に原告に送達されました。原告はこれを不服として、本件審決取消訴訟を提起しました。
知財高裁は、「観光地では各種の土産物や特産品が生産、販売されるが、その際、商品の種類にかかわらず、当地又は近隣の観光名所の名称を付して商品を生産、販売したり、当該観光名所ないしその近郊を商品ないし主原材料の産地として宣伝したりすることは、一般的に行われている。実際、長野県・群馬県境にある浅間山の山麓及び周辺地域で生産された商品等を提供、販売する飲食店や販売店は、当該商品等の販売や宣伝に当たって、商品ないし主原材料の産地を表すものとして「浅間山」の名称を使用している。本願指定商品である地ビールやミネラルウォーター、その他の清涼飲料水についても、同様である。そして、山岳名を使用して、その山麓や周辺地域の商品の販売や宣伝が行われているのは、群馬県吾妻郡嬬恋村と長野県北佐久郡軽井沢町・同郡御代田町にまたがる浅間山地域に限られない。そうすると、本願指定商品の種類、性質からして、その取引者、需要者は一般の消費者であると考えられるところ、これらの者が本願商標を付した商品に接した場合、長野県・群馬県境にある浅間山の周辺地域で製造された商品と認識するにとどまるというべきである。他方、本願商標は『浅間山』の文字を標準文字により表してなるから、『普通の用いられる方法』で表示されている。したがって、本願商標は、単に、商品の産地、販売地を表示するにすぎないことになるから、商標法3条1項3号に該当すると認められる。」として原告の請求を棄却しました。

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