加護亜依事件 知財高裁平成27年7月30日判決

原告は、第41類「演芸の上演、演劇の演出又は上演、音楽の演奏、歌唱の上演、ダンスの演出又は上演、映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営、映画の上映・制作又は配給、放送番組の制作、海外における教育実習・実務研修・語学研修・留学に関する情報の提供、インターナショナルスクール及びインターナショナルプリスクールにおける教育に関する情報の提供、英語教育に関する情報の提供、海外における教育実習・実務研修・語学研修・留学に関する企画及び運営、英会話の教授、インターナショナルスクール及びインターナショナルプリスクールにおける教育、高校卒業資格取得講座における知識の教授、通信教育による知識の教授」を指定役務とする登録5287159号「加護亜依(標準文字)」(以下「本件商標」とする。)の商標権者です。被告は、原告の指定役務の内、第41類「演芸の上演、演劇の演出又は上演、音楽の演奏、歌唱の上演、ダンスの演出又は上演、映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営、映画の上映・制作又は配給、放送番組の制作」(以下、「本件指定役務」とする。)について商標法50条1項に基づき不使用取消審判を請求しました。特許庁は、この審判請求を取消2014-300394号として審理し、「登録第5287159号商標の指定役務中、第41類『演芸の上演、演劇の演出又は上演、音楽の演奏、歌唱の上演、ダンスの演出又は上演、映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営、映画の上映・制作又は配給、放送番組の制作』については、その登録は取り消す。」との審決をしました。原告はこれを不服として本件審決取消訴訟を提起しました。
知財高裁は、「原告が、本件取消審判請求において提出した『navi☆Road USA』と題するウェブページ(乙1の1添付資料)の作成者と思われる『アメリカ留学 ナビロード」という団体又は会社が本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者であるとは認められない上に、『加護ちゃん的・・・』という記載や加護亜依の写真の掲載しかなく、これらの記載等が、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標の使用とは認められず、本件指定役務のいずれかに関する使用ともいえない。また、原告の了解を取得せずにテレビ番組に出演したことに関して交わされた、原告と株式会社C.A.Lとの間の合意書(乙1の1添付資料)における『加護亜依』という記載は、原告に所属するタレントの氏名を明らかにするために使用されただけであって、本件指定役務である『放送番組の制作』に関し、出所識別標識として表示されたものではなく、商標法2条3項各号に定める『使用』のいずれにも該当しない。さらに、原告は、本件取消審判請求において、商標不使用の正当事由として、加護亜依が商標権使用に協力的でなかったことや、加護亜依のスキャンダルのために使用ができなかったことを主張したが(乙1の2)、これらは、いずれも原告の所属タレント自身ないし同人と原告との関係に関する事情であって、いわば、原告の内部的な紛争にかかわる事情にすぎないから、本件商標の不使用がやむを得なかったといえる事情には該当せず、本件商標の不使用についての正当な理由とは認められない。」として、原告の請求を棄却しました。

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